泉福寺洞窟出土品

泉福寺洞窟から出土した50,000点以上の遺物のうち、旧石器時代末から縄文時代草創期にかけての石器1,956点、土器8個体分が指定されている。石器の主体は細石刃で、細石刃13，96、細石刃核357点、その他203点である。日本最古段階の土器の一つとして考えられる豆粒文土器は薄手で口縁がやや内湾した深鉢型土器で、外面には豆粒状の粘土を規則的に貼付けている。これら出土品は、大陸起源のせっきである細石刃が土器の出現以後も盛行し、やがて衰退する様子を物語っており、我が国の縄文文化の始まりの一形態を示すものとして重要である。