山下家のもと（酛）蔵

江迎本陣となった「山下家」は、元禄年間（1688～1703）の造り酒屋で今も酒屋を営んでいる。「酛蔵」は創業当初のものと伝えられ、平戸往還の本陣の中で、唯一当時の建物として現存している。酛蔵は酵母を作るための建物で、ニ階は四方に窓を設けるなど通風、湿度調節ができるようになっている。釘を一本も使わずに中央部に一階からニ階を突き抜ける巨大な通し柱を建て、これに周囲すべての梁、桁をかけて屋根を支える極めて特徴のある構造である。これは柱を少なくして作業空間を確保するための工夫である。若干の改修は行われているが当初の形態を良く残している。