「石岡のおまつり」は正式には「常陸國總社宮例大祭」といい、創建千年を誇る古社・常陸國總社宮の最も重要なおまつりです。
例大祭は近世以降に様々な要素が加わり、今日まで発展してきました。延享年間(1744~47)に奉納相撲が始まり、地域経済が急速に繁栄した明治時代前半に、豪華な出し物が街なかを練り歩く、現在の基礎が固まりました。
当初は重陽の節句(9月9日)を中日とした3日間でしたが、1967年(昭和42年)に、新たに制定された祝日「敬老の日」(9月15日)を中日とする3日間に移行。
さらに、ハッピーマンデー法に伴って「敬老の日」が9月第3月曜日となった2004年からは、現行の、9月15日および「敬老の日」を最終日とする3連休(計3~4日間)に開催しています。「例祭」だけは、従来通り、毎年9月15日(固定)に行われています。
「おまつり」期間中は約40万人の見物客で市街地は大賑わいします。
石岡のおまつりは、「正月やお盆には帰省しなくても、おまつりには帰る」と言われるほど、出身者にとっては思い入れのある祭りで、石岡市民にとって、1年間でもっとも熱くなる日です。
なお、歴史的な研究、学術的な調査研究内容は、櫻井明氏「常府 石岡の歴史」(1977年、石岡市教委刊)所収に詳述されています。
「関東の三大祭」については諸説ありますが、前述の「常府 石岡の歴史」によれば、1950年代初頭からうたわれ始め、かつて霞ヶ浦の水運で結びついていた千葉県香取市(旧佐原市)の「佐原囃子」、常陸国と武蔵国のつながりから武蔵府中の「大国魂神社」(東京都府中市)で行われている「府中暗闇祭」とあわせて、「関東の三大祭」と呼ばれるようになったとされています。
諸説の中には、その2:石岡のおまつり、佐原の大祭(千葉県香取市)、川越まつり(埼玉県川越市)。その3:東照宮千人武者行列(栃木県日光市)、秩父夜祭(埼玉県秩父市)、浜降(はまおり)祭(神奈川県茅ヶ崎市)などがあります。